鰻の白樺蒸しは懐石料理、夏の献立の中で蒸し物として料理長が考案した逸品です。
鰻の白焼きは信州の涼しさをイメージして、大豆の出し汁と昆布だしを合わせた独特のうま味を引き出した料理です。
鰻は関東では背から開き、一度白焼にしてから脂肪を抜くため、蒸しにかけてから付け焼きにします。関西では腹のほうから開き、そのまま付け焼きにします。
蒲焼は関西風の地焼のほうが脂肪分があって美味しいとも言われますが、江戸風のほうが柔らかくて戴きやすいと思います。
材料
調味料
作り方
- 大豆を宝楽鍋かフライパンで少しこげ目が付く程度に煎る。
- 1升2合の水の中に煎った大豆3合とだし昆布を入れ大豆だしを取る。
- 大豆のだし汁を取るのに40分くらい弱火で炊く。
- 鰻は一度白焼にして、鰻に大豆だし(上記:③)を入れ15分程度蒸す。
- 豆腐、椎茸は蒸しにかけ、生麩は吸汁くらいの味付けをする。
御家庭で作られる場合は市販の鰻の白焼きを使用されても結構です。
『台湾うなぎ』
台湾産は生きたまま入荷されるものと、白焼きにして入荷されるものがあります。生で入荷されるものは国内産の養殖うなぎとほとんど変わらず、見分け方は難しく、小さいうなぎが多いのが特徴です。適用調理方法としましては、活けうなぎを使い一度蒸してから鰻丼にするとか、白焼きで入荷されたものは小さく切って散らし寿司、鰻ざくにします。
『国内産うなぎ』
国内産うなぎは天然物と養殖物とがありますが、天然物はほとんど関東へ出荷されてしまいます。国内産のうなぎは頭が小さく腹が白くて背がやや青みがかっているのが特徴です。適用調理方法としましては蒲焼が最適です。
付け出し
- 大豆のだし汁6杯に対して、みりん1杯、濃口醤油1杯を合わせて煮る。
- 差し鰹をして火を落とし、鰹が沈んだらリードで漉し温める。
- 山葵、切り海苔、洗いねぎを添える。
差し鰹とは
調味料を合せて一度炊き、差し鰹をする事により、よりいっそう味は良くなる。そして、差し鰹は出し類によく使われます。
差し鰹
- 調味料を合わせた出しが沸騰したら鰹を入る。
- 一度火を落とし鰹が沈むまで待つ。
- 鰹が沈んだらリードで漉す。
調味料の割合について
調味料の味付け割合は対比で計算しています。人数に応じて計量カップや容器の大きさが変わっても、味は変わりません。