湯葉(生湯葉、乾燥湯葉)を使った料理のことを東寺と言います。東寺は京都の東寺のことを言います。開祖は空海です。
当時の仏教の戒律は厳しく、野菜中心の料理を食していました。空海が湯葉料理を持ち込んだことから、湯葉を使った料理は東寺と呼ばれるようになりました。今回は懐石理の一品、甘鯛の東寺蒸しを紹介します。
材料
- 甘鯛
- 鰻
- 百合根
- 生椎茸
- 京三つ葉
- 生湯葉
- かぶら
- 鰹
- 山葵
調味料
作り方
- 甘鯛の表面の硬い皮をすき引きにします。
- 甘鯛を三枚におろし骨抜きをして1cmくらいの大きさのへぎ切りにする。
- 甘鯛はうすく振り塩をする。
- 鰻は蒲焼のようにタレ焼きにしてへぎ切りにする。
- 百合根は塩茹でにする。
- 生椎茸は厚めの千切りにする。
- 三つ葉は3cmくらいの長さに切る。
- 振り塩をした甘鯛の上にへぎ切りをした鰻を乗せる。
- 鰻の上に百合根、生椎茸を乗せ生湯葉で包んで蒸し上げ器に盛る。
- 出し汁12杯に対して、みりん1杯、淡口醤油0.5杯、塩少々を合わせて炊く。
- 差し鰹をして火を落とし、鰹が沈んだらリードで漉し温めて吉野葛を溶いてアンを作る。
- 器の横からはり、三つ葉、山葵を添える。
すき引き
鯉、甘鯛など、ウロコの硬い魚は、尾の方から包丁を入れ、表面の硬い皮を包丁を寝かし、すくように切っていく。
鰻蒲焼
- 木製のまな板にうなぎを置く。
- 頭を目打ちで打ち、うなぎを固定させます。
- 鰻を腹開きにする。
- 一度さっと水洗いをして、水分を拭取る。
- 腹開きにした鰻の皮の方を上にして、抜き板(まな板でも良い)に置く。
- 鰻の横から魚串を扇方に打つ。
- 皮の方から白焼きにする。
- 白焼きが出来たら、魚タレの中に漬け、軽く焼く。
- もう一度魚タレの中に漬け、2度焼きにする。
ご家庭で鰻、穴子のたれ焼きを使用する場合は市販の物をご利用してください。
差し鰹とは
調味料を合せて一度炊き、差し鰹をする事により、よりいっそう味は良くなる。そして、差し鰹は出し類によく使われます。
差し鰹
- 調味料を合わせた出しが沸騰したら鰹を入る。
- 一度火を落とし、弱火で軽く炊き、火を止め、鰹が沈むまで待つ。
- 鰹が沈んだらリードで漉し温める。
魚タレ
- みりん(煮切り)1升瓶4本、たまり1本、濃口醤油7合、酒1本。
- アワビの殻を2~3ヶ入れ、弱火で約30分くらい、常にアクを取りながら炊く。
- 差し鰹をして冷やす。
魚によっては砂糖の代わりに永砂糖を使う。
魚タレ家庭用の割合
みりん(煮切り)5合、たまり醤油1.25合、濃口醤油0.9合、酒1.25合
魚たれは多い目に作っても暗い場所であれば長期保存が可能ですが、水分が混じれば腐りますので、絶対に水分を入れないように気をつけて下さい。
調味料の割合について
調味料の味付け割合は対比で計算しています。人数に応じて計量カップや容器の大きさが変わっても、味は変わりません。