鱧ちりは関西地方、特に大阪の天神祭り、京都の祇園祭りの頃が一番美味しい頃です。
梅雨の時期の雨水が、海水にまじった頃の鱧が一番おいしく、潮の流れが早い淡路島産の鱧は格別です。料亭八木では700g~800gの大きさの最高ランクの鱧を使っていました。
鱧の皮のヌメリは非常ににおいが強く、特に背びれのきわは臭いがきつく、三枚におろした時に、この部分のヌメリが少しでも残れば、臭いがまわって食べられません。
八木では鱧ちりを料理する時は1cm幅につき8枚位の厚みに骨切りをしていました。この時、皮の半分を包丁をし、8枚位骨切りをしたところで切り離し、霜降りをした後、氷水に放すと、ボタンのつぼみの様に見えます。
熱湯に少し漬けた後、うろこ、血液、汚れ等を流水で洗い流す事により、臭味や汚れを取り除きます。